小学校理科 求められる「学力観」や「指導観」の変化

 

現在、急速にコンピュータや人工知能(AI)が人に代わって様々な場面で働く時代がやってきています。このような変化の速さは、スマートフォン例にするとわかりやすい。十数年前だと、現在のようにカラーで直感的に様々な操作することもできず、機能もかなり限られていました。しかしながら、この十年でSNS、地図検索、切符の代用や銀行決済など、スマートフォンでできることが増え、それに伴って私たちの生活も便利になり、当時から見ると信じられないくらい大きく変化しました。このことから考えると、これから先も情報化が進み続け、私たちの生活もさらに変化していくと考えられます。

では、これからの予測困難な社会に向け、私たち教師はどのような人材を育成すべきなのでしょうか。かつてのように情報化が進んでいない時代では、「様々なことを多く知っていること」が重要であり、教師は、たくさんの知識を教えることに特に重点を置いたといえます。しかしながら、携帯電話等ですぐに検索ができる今のような時代では、「様々なことを多く知っていること」が必ずしも重要であるとは言えません。もちろん知識の習得も重要ではありますが、「臨機応変に問題に対処できる力」や「新たなものを創造する力」など、人間にしかできないことが、これまで以上に求められることになるでしょう。そのため私たち教師は、小学校理科においてもこれからの「学力観」や「指導観」を「知識習得重視型」から「知識習得・活用型」へ、「学びの結果」から「学びの過程」へと転換し、「知識量の重視」からどのような場面でも使える「汎用的な能力の育成」のために、授業を改善することが求められると言えます。

投稿者プロフィール

寺本 貴啓
寺本 貴啓國學院大學人間開発学部 准教授
博士(教育学)

1976年兵庫県生まれ。静岡県の小・中学校教諭を経て、広島大学大学院に学んだ後、大学教員になる。専門は、理科教育学・学習科学・教育心理学。特に、教師の指導法と子どもの学習理解の関係性に関する研究、その周辺の学習評価、教員養成、ICT機器を活用した指導に関する研究に取り組んでいる。また、小学校理科の全国学力学習状況調査問題作成・分析委員、学習指導要領実施状況調査問題作成委員、小学校教科書編集委員、NHK理科番組委員等を経験し、小学校理科を研究の基盤としている。

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8月 24, 2018