小学校理科「問題解決の力」を育成することの意義

 

 

「問題解決の力」という言葉は、新学習指導要領から新たに示されたものであり、問題解決の過程で「どのように思考して、何をするのか」という、子供に求める姿を明確にしたものです。小学校では、第三学年「差異点や共通点を基に、問題を見いだす」、第四学年「既習の内容や生活経験を基に、根拠のある予想や仮説を発想する」、第五学年「予想や仮説を基に、解決の方法を発想する」、第六学年「より妥当な考えをつくりだす」を、各学年で中心的に育成していきまます。

では、このような問題解決の力を育成する意義とは何でしょうか。それは、子供が予測困難な社会に出た際に、「社会の変化に主体的に関わり、目的を設定し、よりよい社会を創るために、よりよい選択ができること」や、「問題が起きた時に、より合理的で妥当な解決方法を考えることができること」の基礎になることだと考えます。

理科では、実証性(確かな証拠をもって証明が可能なのか)、再現性(誰でも同じ結果になるのか)、客観性(誰もが納得するのか)といった条件を検討する手続きを通して「科学的に解決」していきます。このことは、社会に出て問題を解決する際に、問題を問題として気付けることや、問題に対処する方法を客観的に考えられること、感覚的な判断ではなく、より妥当な判断のために様々な観点から考えられること等に繋がりますま。そのため、理科で育成する問題解決の力は、これからの時代において「汎用的な能力」に繋がる大切な力であると言えるのです。

投稿者プロフィール

寺本 貴啓
寺本 貴啓國學院大學人間開発学部 准教授
博士(教育学)

1976年兵庫県生まれ。静岡県の小・中学校教諭を経て、広島大学大学院に学んだ後、大学教員になる。専門は、理科教育学・学習科学・教育心理学。特に、教師の指導法と子どもの学習理解の関係性に関する研究、その周辺の学習評価、教員養成、ICT機器を活用した指導に関する研究に取り組んでいる。また、小学校理科の全国学力学習状況調査問題作成・分析委員、学習指導要領実施状況調査問題作成委員、小学校教科書編集委員、NHK理科番組委員等を経験し、小学校理科を研究の基盤としている。

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8月 24, 2018