小学校の全国学力・学習状況調査はどのようにして行われているのか

 

 

文部科学省では2007(平成19)年度から、全国すべての小学校と中学校を対象に「全国学力・学習状況調査」を行っています。国では1950年代後半から、途中で中止になった期間をはさみながらも子供の学力を把握するための取り組みを行っていましたが、1990年代頃から次第に顕著になった学力の低下を背景に、1964(昭和39)年を最後に中止していた全員調査を復活させました。これが現在も行われている全国学力・学習状況調査です。

全国学力・学習状況調査でメインとなっている学力テストはその学校における最高学年の学生が対象となっており、小学校では6年生が調査の対象となっています。実施される科目は国語・算数・理科の3科目で、国語と算数については毎年度実施されていますが、理科の実施時期は3年に1度、3で割ると2余る年度です。国語と算数のテスト問題はAとBの2つに分かれており、Aは主に「知識」の定着度をはかる問題が、Bは主に知識をもとにした「活用力」をはかる問題が出され、理科はAとBが一体的に扱われて出題されます。問題・正答例・解説は国立教育政策研究所の公式Webサイトで見ることができるので、興味がある人はどんな問題が出されているのか見てみると良いでしょう。

全国学力・学習状況調査では学力テストの他に、生活習慣や学校環境に関して質問紙に回答してもらう調査も実施されるほか、3年に一度くらいの頻度できめこまかい調査として、保護者や教育委員会に対する調査や経年変化分析も行われます。学力テストと質問紙調査はすべての小学校が対象ですが、きめこまかい調査の対象は全国の小学校から無作為に選ばれています。

全国学力・学習状況調査が行われるのは例年4月中旬から下旬頃で、およそ4ヶ月から5ヶ月程度で詳細な調査結果が発表されます。結果のうち、学力テストの全国および都道府県別の平均得点はテレビや新聞などで報道されるほか、一部の都道府県では学校別に平均得点を公表しています。

投稿者プロフィール

寺本 貴啓
寺本 貴啓國學院大學人間開発学部 准教授
博士(教育学)

1976年兵庫県生まれ。静岡県の小・中学校教諭を経て、広島大学大学院に学んだ後、大学教員になる。専門は、理科教育学・学習科学・教育心理学。特に、教師の指導法と子どもの学習理解の関係性に関する研究、その周辺の学習評価、教員養成、ICT機器を活用した指導に関する研究に取り組んでいる。また、小学校理科の全国学力学習状況調査問題作成・分析委員、学習指導要領実施状況調査問題作成委員、小学校教科書編集委員、NHK理科番組委員等を経験し、小学校理科を研究の基盤としている。

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8月 25, 2018